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読み聞かせ「千年の水」

読み聞かせ「千年の水」

ある時、若い鹿が天の川のほとりにたたずんでいました。川の流れを見つめながら、「この川はどこから流れてきて、どこへたどりつくのか?」若い鹿は、そんなことに思いをめぐらしていました。何か気がかりなことがある時、また、さみしくなった時とかに、誰でもそんなことをふと考えてしまうものです。若い鹿も気がかりなことがあって、そんなことを考えていました。

若い鹿の気がかりは、最近、めっきり体が弱った母さん鹿のことです。子守り歌を聞いて、素敵な夢を見たこと、昔話を聞いて、どきどきわくわくしたこと、どんな子守り歌でどんな昔話かは、思い出せません。だけど、自分のやさしい気持ちを生んでくれたのは、きっと母さん鹿の子守り歌であり、昔話であると、若い鹿は、信じていました。実際、それは本当のことでした。…

author:トムテのマスター, category:お話, 10:21
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