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言葉にならないもの

言葉にならないもの

 

好きな人ができても、告白して言葉にできないことがある。その好きが自分の中で伝えられる言葉になっていない。頭にあるけれど、まだ声に出せる言葉になっていない。言葉になっていても伝わらないものもある。

 

「これ何?」「それチョッキ」と言っても相手に伝わらない。防弾チョッキぐらいしかチョッキは存在しない。「ベスト」なら伝わるかもしれない。ベストと言うのがベストだ。これも相手に苦笑いを誘うだけで、相手によっては意味のない言葉になってしまう。

 

「これ何?」「それジーパン」と言っても相手に伝わらない。知っていても聞きたくない言葉だし、口にするのもはばかる言葉だ。「ジーンズ」なら伝わるかもしれない。同じ時空にいるのに、同じ空気を吸っていないみたいだ。

 

言葉が頭に浮かんだら、映像になってスクリーンで、みんなで見ることができるようになる。スクリーンから飛び出してきて、一年後には手で触れる3Dになっている。もう三次元で認識できる。三次元として認識できると、簡単にそれを大量に作れてしまう。

 

言葉が生まれて海のものとも山のものとも知れなくても、人々に使われはじめるとリアルな言葉として存在し続ける。文化の一部となり命を持つようになる。だけど長い歴史に埋もれて、死語になって死んでいく言葉もある。

 

死んでも、たまにリサイクルする人が現れる。その時代に合った言葉にリメイクされて、新しい命を授かり生まれ変わる。リメイクされた言葉の方が前回よりヒットすることがある。前回は早く生まれすぎたみたいだ。

 

人間の短い一生では評価できない。あせって価値ある評価をしてしまうと、世界中がパニックになる。そうならないように賢者は、隠し絵を描いて隠し言葉を散りばめる。絵画は、価値ある文化を機密にできる隠し金庫だ。時がくるまで扉を開けてはいけない。開くときは足音がして、扉が口笛を吹きながらやって来る。

 

author:トムテのマスター, category:-, 17:45
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